情報確認日:2026-09-12
在宅勤務日と出社日の座る時間・身体活動・ベッドにいる時間の違いを調べた97人の研究を読み解く
同じ人でも、在宅勤務日は出社日より座るなどの非活動時間が長く、身体を動かす時間が短いという違いが見られました。 ベッドにいる時間も長めでしたが、長く眠ったかどうかは分かりません。
同じ人でも、在宅勤務日は出社日より座るなどの非活動時間が長く、身体を動かす時間が短いという違いが見られました。 ベッドにいる時間も長めでしたが、長く眠ったかどうかは分かりません。
在宅勤務と出社を組み合わせて働き、家で仕事をする日は動く機会が少ないと感じる人に関係する研究です。 通勤や職場内の移動で自然に動いていた時間に目を向ける材料になります。
大学発表では、座り続ける時間を立ったり動いたりする休憩で区切ることや、通勤で減った活動を休憩や余暇で補う考え方が紹介されています。 自分の在宅勤務日にどんな動く機会があるかを確認する材料ですが、全員共通の歩数や休憩間隔を決めた研究ではありません。
2026-07-28に公開された報告です。 同じハイブリッド勤務者の在宅勤務日と出社日を比べた観察研究です。勤務場所を無作為に割り付けた実験ではありません。 フィンランドの大学職員など97人を解析しました。女性84%、平均年齢42歳、年齢の標準偏差10歳です。測定に参加した99人のうち、有効な在宅勤務日と出社日がそろわなかった2人を除外しています。 著者はKristin Suorsa、Miika Tuominen、Sanna Pasanen、Jesse Pasanen、Nidhi Gupta、Sari Stenholm、Tuija Leskinenです。所属・発表主体はUniversity of Turku、Turku University Hospital、デンマークのNational Research Centre for the Working Environmentです。
同じ人の複数の測定値を扱いながら、条件の違いも考慮する統計解析の方法。ここでは「線形混合モデル」と表しています。 7日間の測定を予定し、同じ人の在宅勤務日と出社日を比べました。解析対象者は全員6日以上装着し、3人を除いて7日間の測定を終えました。有効な出社日は平均2.4日、在宅勤務日は平均2.6日でした。 太ももにFibion SENSセンサーを装着し、姿勢や動きから活動を分類しました。ベッドにいる時間はセンサーによる睡眠測定ではなく、日誌に書いた就床時刻と起床時刻から求めています。1日は午前0時から翌午前0時として扱いました。年齢・性別・BMIを考慮した解析で、24時間の中で各行動が占める割合を比較しています。同じ人の繰り返し測定を扱う線形混合モデルを用い、予測した割合を24時間に換算しました。行動間の時間配分を詳しく見る補助解析は、必要な測定日がそろった68人が対象でした。
在宅勤務日では、軽い身体活動と中高強度身体活動を合わせた時間の、ベッドにいる時間と座位等の非活動時間に対する比率が低くなっていました。 モデルから求めた24時間の配分を分で表すと、在宅勤務日は出社日よりベッドにいる時間が14分、座位等の非活動時間が44分長く、軽い身体活動が37分、中高強度身体活動が21分短いという差でした。各人が必ずこの分数だけ変わったという意味ではありません。 非活動時間とベッドにいる時間の比率については、はっきりした差は確認されませんでした。 補助解析では、主に出社日の立位や自転車移動に当たる時間が、在宅勤務日の非活動時間やベッドにいる時間へ配分されていました。研究者は通勤がないことなどを可能な説明として挙げていますが、その原因を確定した結果ではありません。 今回の収集期間で新しいのは、University of Turkuが2026年9月11日に出した研究紹介です。論文の公開日は2026年7月28日で、査読・受理済み原稿として先行公開されています。大学紹介では睡眠約15分、座位等約45分と説明していますが、論文の測定項目は睡眠時間ではなくベッドにいる時間です。
ベッドにいる時間(TiB)は、自己申告した就床・起床時刻から求めた時間です。目が覚めている時間なども含み得るため、実際に眠った時間とは同じではありません。 座位等の非活動時間(SED)には、起きている間の座位や横になっている時間が含まれます。軽い身体活動(LPA)は立位や軽い歩行など、中高強度身体活動(MVPA)は自転車移動や速歩などを含む分類です。
資金提供:Finnish Work Environment FundとFinnish Ministry of Education and Culture。資金提供者は研究設計、データ収集・解析・解釈、原稿作成、発表判断に関与していないと記載されています。 利益相反:著者らは利益相反なしと申告しています。
- 観察研究なので、在宅勤務そのものが時間配分の差を生んだと断定することはできません。仕事内容や勤務環境などの違いも関わる可能性があります。 ベッドにいる時間は自己申告で、睡眠自体の評価や在宅勤務日と出社日の睡眠時間の比較はできていません。 主に大学職員を調べた結果で、教育水準や仕事の裁量が比較的高い可能性があります。日本の在宅勤務者全体にこの分数をそのまま当てはめることはできません。 自宅や職場の設備、具体的な業務、雇用主の方針などの詳しい情報はありません。短い測定期間の行動比較であり、将来の病気や体重の変化を調べた研究ではありません。 在宅勤務が健康に悪い、出社した方が健康だという結論ではありません。この研究だけでは、病気や体重への長期的な影響は分かりません。