運動2026-09-04

森を約2時間歩いたら血圧と気分に変化。日本人89人の研究で分かったこと

長崎県西海市のクアオルト健康ウォーキングを対象にした、短期的な変化を観察した研究を読み解きます。

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何が発表されたのか

長崎県西海市の健康事業で行われたクアオルト健康ウォーキングの参加者を、歩く前後で比べた研究です。歩行後には血圧と気分の指標に短期的な変化が観察されました。

どんな研究だった?

論文は2026年9月3日にPLOS ONEで公開されました。長崎大学大学院医歯薬学総合研究科のSaori Miura氏らの研究チームが、西海市の既存の健康事業を対象に実施した単群の観察研究です。2024年3月から2025年3月までの認定コース参加者90人のうち、歩行を完了した89人を血圧・脈拍・心理指標の解析に含めました。年齢は18〜83歳、平均50.8歳でした。

何をしたの?

2つの認定コースで、健康運動指導士2人の案内のもと、準備運動、歩行、終了後の整理運動を含めて約120分過ごしました。コースは海辺の公園と、ダム湖周辺の森林を通るコースです。参加者は途中で自分の脈拍を確認し、年齢などに応じた目標強度を目安に歩きました。これは、普段の散歩や一般的なウォーキングだけの結果ではなく、自然環境、案内者、運動強度の調整を含む地域プログラムでの観察です。

歩行の前後で何が変わった?

収縮期血圧の平均は127.2から120.6mmHg、拡張期血圧は81.2から76.3mmHgへと下がっていました。POMS2という質問票では怒り・混乱・抑うつ・疲労・緊張不安などのネガティブな気分指標が低下し、活力や友好性は上昇しました。別の質問票でも、楽しさとリラックスは上がり、不安は低下しました。なお、自律神経に関するLF/HF比とHFパワーには、測定した4地点間で有意な変化は見られませんでした。

普通の暮らしとどうつながる?

この研究は、毎日の散歩を特定の方法で行えば同じ変化が起こることを示したものではありません。ただ、健康のための活動を考えるときに、距離や歩数だけでなく、無理のない強度、歩く場所、休憩、誰かと一緒に過ごすことなど、続けやすさに関わる要素にも目を向けるきっかけにはなります。40〜60代で運動不足や健診の数値が気になり始めた人も、極端な運動を始めるかどうかではなく、自分にとって負担の少ない活動の場面を考えてみるための情報として受け止めるのがよさそうです。

注意点・情報の限界

情報源・出典